保護猫を迎える前に知っておきたいこと|保護団体が伝えたい準備と心構え

鳥取市で保護猫活動をしているOhanaが、実際の活動の経験をもとに書いています。

保護猫を家族に迎えたいと考えて、譲渡会の情報や保護団体のサイトを調べ始めた方もいるのではないでしょうか。ただ、気持ちが固まっても、住まいや費用、家族の考えなど、迎えたあとに気づく問題で迷ってしまう方も少なくありません。大切なのは、迎える前に家族で確認しておくことです。保護猫を迎えようと考えている方に向けて、保護団体として迎える前に知っておいてほしいことをまとめました。

この記事の要約

  • 保護猫は、保護団体・自治体・譲渡会などから迎えられる
  • 迎える前に、住まい・室内飼い・寿命・費用・家族の同意・もしものときの預け先の6つを確認する
  • 猫の平均寿命は16歳。生涯にかかる費用は、平均でおよそ180万円
  • 保護猫には譲渡の条件や面談、トライアルがある。どれも、猫が二度と行き場をなくさないための仕組み

保護猫とは?どこから迎えられる?

保護猫とは、飼い主がいない、または飼えなくなった事情があって保護され、新しい家族を待っている猫のことです。保護団体や個人のボランティア、自治体の保健所・動物愛護センターなどが保護しています。

全国の自治体が1年間に引き取った猫は22,010匹で、そのうち半分ほどの11,062匹は、飼い主のわからない幼い子猫(主に離乳前)でした。新しい家族に譲渡された猫は16,854匹、殺処分された猫は4,866匹です*1。どの数も前の年度より減っていますが、家族を待っている猫はまだたくさんいます。

保護猫を迎える方法は、おもに次の4つです。

迎え方 特徴
保護団体から 団体のサイトやSNSで募集中の猫を探し、申し込む。預かり中の様子をくわしく聞ける
自治体(保健所・動物愛護センター)から 自治体が収容した猫を譲渡している。事前の講習会への参加などが必要な場合がある
譲渡会で 複数の団体や自治体の猫に、直接会える。その場では決めず、後日の手続きになることもある
譲渡のマッチングサイトで 全国や県内の募集を、まとめて探せる

どの方法でも、迎える前に確認しておきたいことは同じです。

*1 引用元:環境省:犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況(令和6年度)

迎える前に家族で確認したい6つのこと

鳥取市は、動物を飼う前に家族で話し合ってほしいことを、質問の形でまとめています*2。その内容をもとに、保護猫を迎える前に確認したいことを6つに整理しました。

1. 住まいで猫を飼えるか

賃貸住宅なら、猫を飼ってよい物件かを契約書や管理会社で確認します。「ペット可」でも、猫は不可、頭数に制限がある、といった場合もあります。また、猫には鳴き声が大きくなる時期があるので、周りの環境も考えておきましょう*2。

2. 完全室内で飼えるか

交通事故で命を落とす動物の多くは猫で、外に自由に出すと病気にもかかりやすくなります*2。Ohanaを含め、完全室内で飼うことを譲渡の条件にしている保護団体もあります。窓や玄関から飛び出さないよう、脱走を防ぐ工夫ができるかも確認しておきましょう。

3. 最後まで一緒に暮らせるか

猫の平均寿命は16.00歳で、外に出ない猫に限ると16.23歳です*3。いま迎えると、15年以上先まで一緒に暮らすことになります。その間に、引っ越し、結婚や出産、転勤、自分や家族の病気などがあっても飼い続けられるかを、考えておくことが大切です。

4. 費用を負担できるか

猫1匹を飼っている人が、猫のために使う金額は、1か月あたり平均9,998円です。生涯でかかる費用は、平均でおよそ180万円(1,796,075円)と計算されています*3。

これに加えて、病気やけがの治療費が急にかかることがあります。毎日の食費だけでなく、治療費まで負担できるかを考えておきましょう*2。

5. 家族全員が賛成しているか

一緒に暮らす家族の中に、反対している人や、猫アレルギーの人がいないかを確認します。子どもに頼まれて迎える場合も、実際のお世話や費用の責任を持つのは大人です*2。

6. もしものときに頼れる人がいるか

入院や長期の出張など、自分で世話ができなくなるときに、代わりに猫を見てくれる人がいるかも大切です。保健所は、飼い主の都合で猫を簡単には引き取れません*2。家族や知り合いに、頼める人を考えておきましょう。

鳥取市はあわせて、「飼わない」ことも立派な動物愛護だと伝えています*2。確認してみて、いまは難しいと感じたら、迎える時期を待つことも、猫のための大切な判断です。

*2 引用元:鳥取市:動物を飼う前に必ず確認してください
*3 引用元:一般社団法人ペットフード協会:令和7年(2025年)全国犬猫飼育実態調査

ペットショップとはここが違う、保護猫ならではのこと

保護猫を迎えるときには、ペットショップで買うときにはない手続きや、知っておきたい事情があります。

性格や健康状態を教えてもらえる

保護猫は、保護団体や預かりボランティアの家で暮らしながら、新しい家族を待っています。そのため、人に慣れているか、ほかの猫と仲よくできるか、抱っこが好きか、といった性格を前もって聞くことができます。おとなの猫なら、性格はほぼ決まっているので、迎えたあとの暮らしを想像しやすくなります。

ワクチンや不妊・去勢手術、病気の検査などを済ませてから譲渡する団体もあり、健康状態も確認できます。どこまで済ませているかは団体ごとに違うので、申し込みのときに聞いてみましょう。

譲渡の条件と面談がある

保護団体から迎えるときは、譲渡の条件が決められていて、申し込みのあとに面談があるのが一般的です。条件は団体ごとに違います。たとえばOhanaでは、次の4つを条件にしています。

  • 20歳以上の方
  • 完全室内飼いができる方
  • ご家族全員が賛成している方
  • 最後まで一緒に暮らせる方

面談で住まいや暮らし方を聞かれるのは、その猫に合う家族かどうかを、一緒に考えるためです。

譲渡費用がかかる

保護団体から迎えるときは、譲渡費用がかかることがほとんどです。猫を売っているわけではなく、保護してから譲渡するまでにかかった医療費の一部を負担していただくものです。Ohanaの譲渡費用は30,000円で、保護してからの医療費、ワクチン、不妊手術などの費用にあてています。

慣れるまで時間がかかることがある

保護猫の中には、外で暮らしていた猫や、怖い思いをしてきた猫もいます。新しい家に来てしばらくは、隠れて出てこない、ごはんをあまり食べない、ということもあります。無理に触ろうとせず、猫が自分から出てくるのを待つ時間が必要です。

また、マイクロチップが入っている猫を迎えたときは、飼い主の情報を自分に書き換える「変更登録」が必要です*4。譲渡のときに、登録の証明書を受け取っておきましょう。

*4 引用元:環境省:犬と猫のマイクロチップ情報登録について

迎えるまでの流れ(Ohanaの場合)

保護団体から迎えるときの流れは、団体ごとに少しずつ違います。ここでは、Ohanaの流れを例に紹介します。

  1. お申し込み:募集中の猫ごとに申し込む
  2. ご面談:メールで連絡をとり、お会いして話を聞く
  3. トライアル:約2週間、おうちで一緒に暮らしてみる
  4. 正式譲渡:トライアルを経て、正式に家族になる
  5. ご報告:その後の様子を、ときどき教えていただく

お申し込みから譲渡までは、状況によりますが1〜2か月ほどです。トライアルは、猫と家族の相性や、実際の暮らしの中で困ることがないかを、お互いに確かめるための期間です。

迎える日までに準備しておくもの

迎える日が決まったら、猫が来る前に、次のものをそろえておきましょう。

  • ケージ(慣れるまでの安心できる居場所になる)
  • トイレと猫砂
  • フード(保護先で食べていたものと同じものから始める)
  • 食器と水の器
  • 爪とぎ
  • キャリーケース(動物病院へ行くときにも使う)
  • 脱走防止の柵など(窓や玄関まわり)

猫砂やフードは、保護先で使っていたものを聞いておくと、新しい環境に慣れやすくなります。

保護猫の現場から:条件は「断るため」ではなく「守るため」

譲渡の条件や面談があると聞いて、「審査が厳しそう」と感じる方もいるかもしれません。でも、条件は人をふるい落とすためのものではありません。保護された猫が、もう一度行き場をなくすことがないようにするためのものです。

鳥取市で100匹を超える猫を送り出してきたOhanaでも、トライアルや譲渡のあとの報告をお願いしています。それも、猫と家族の両方が安心して暮らし続けられるようにするためです。条件に当てはまらない場合も、まずはご相談くださいとお伝えしています。

鳥取で保護猫を迎えたい方は、保健所や譲渡会、保護団体などの迎え方をまとめたページもご覧ください。

鳥取で保護猫を迎える方法を見る →

よくある質問

一人暮らしでも保護猫を迎えられますか?

団体によって条件が違います。Ohanaでは、条件を満たしていれば、一人暮らしの方にもお譲りしています。留守の時間が長い場合や、もしものときに猫を預けられる人がいるかは、面談で一緒に確認します。

年齢が高くても保護猫を迎えられますか?

年齢の条件は団体ごとに違います。猫は15年以上生きることも多いので、自分に何かあったときに猫を引き継いでくれる家族や知り合いがいるかを、確認される場合があります。落ち着いたおとなの猫を迎える、という選び方もあります。

先住猫がいても大丈夫ですか?

迎えることはできますが、相性や病気がうつらないかに気をつける必要があります。しばらくは部屋を分けて、少しずつ慣らしていくのが一般的です。ワクチンや検査の状況を保護先に確認したうえで、動物病院にも相談してください。

譲渡費用は何に使われますか?

保護してから譲渡するまでにかかった、医療費の一部にあてられます。Ohanaでは、医療費、ワクチン、不妊手術などの費用にあてています。

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関連:保護猫たち/鳥取県の保護猫ガイド/Ohanaを応援する

まとめ

保護猫を迎える前には、住まい、完全室内飼い、15年以上の暮らし、生涯でおよそ180万円の費用、家族全員の賛成、もしものときに頼れる人の6つを、家族で確認しておきましょう。保護猫には譲渡の条件や面談、トライアルがありますが、どれも猫と家族が長く安心して暮らすための仕組みです。

全部を最初から完璧にそろえる必要はありません。わからないことは、迎えたい猫を保護している団体に聞きながら、一つずつ準備していけば大丈夫です。

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